2008年10月12日日曜日

訶梨勒。


昨日 、赤坂の料亭で結婚の儀を執り行いました。
赤飯。膾が添えられ。
床脇には訶梨勒が飾られていました。
茶席でもお正月。慶事の時に飾られます。
改めて意味を確認致しました。

訶梨勒(かりろく)
インド原産のシクンシ科・ミロバランという植物。梵語で「Haritaki」。成熟果実を乾燥したものを訶子、核を取り除いたものを訶子肉という。訶子はタンニンやケブリン酸を含み、収斂・駆風・咳止め・声がれ・眼病・止潟薬として古くから知られ、仏教の原始経典である『增壹阿含經』に「世尊問曰。由何命終。梵志復手捉撃之、白世尊言。此衆病集湊、百節酸疼故致命終。世尊告曰。當以何方治之。鹿頭梵志白佛言。當取呵梨勒果、并取蜜和之、然後服之、此病得愈。」とある。日本には鑑真和尚(687~763)が招来したとされ、天平勝宝8年(756)聖武天皇崩御の77忌に孝謙天皇・光明皇后が東大寺盧舎那仏(いわゆる奈良の大仏)に献じた薬物を記した献物帳『種々薬帳』に「呵梨勒一千枚」とある。柱飾りとしての訶梨勒は、西村知備の文化3年(1807)刊『懸物図鏡』に「慈照院(足利義政)のお好みで作らせた物で、霊綿綏(れいしさい)ともいう。訶梨勒は水毒を避け緒病を治す。これを粉末にして酒に入れて飲むと気を鎮める。昔は訶梨勒を糸でつないだだけのものを使っていたが、義正の時から袋の中に納めるようになった。」とあるといい、相阿弥の『御飾書』に「一、かりろくとて柱飾なり」とあり室町期には書院の柱飾りとなっている。訶梨勒が水毒を解くというところから、茶席での柱飾りに用いられるようになったという。訶梨勒は、訶子・竜脳・沈香・白し・薫陸・かっ香・甲香・甘松香・大茴香・丁字・白檀・安息香・茴香など1年の月の数を示す12種類(又は12の倍数、閏年は13種類)の香木などを天貝帳と言う和紙に包んで布袋に納め、紐で吊り下げ、袋は果実の形で果実の実りや生命力を表し、五色の組み紐を使う時は「陰陽五行」を、白は「訶梨勒」の花を、四つの編み目は「四季」を表すという。その前史としては平安朝の頃より端午の節句に、邪気を払い不浄を避けるものとして、種々の香料を入れた美しい玉に、あやめの根を添え造花を飾り五色の糸飾りを長く垂れ下げた薬玉(くすだま)を柱や簾に掛けたり身に付けたことがあるといい、『続日本後紀』、嘉祥2年(849)に「五月五日尓藥玉乎佩天飮酒人波。命長久福在止奈毛聞食須。故是以藥玉賜比。御酒賜波久止宣。日暮乘輿還宮。」とみえるのが初出という。
因みに、この訶梨勒。
仕覆でお世話になっています永井百合子先生より
以前、茶席開きのお祝いに賜りました品です。